2009年09月02日

オーバーホール

佐良浜のタンクを使って潜り漁に従事しているほとんどの漁師は レギの修理をわたしに預けてくる 

これまでアギヤーの仲間のレギだけを修理してやっていたのだが 気がつけばアギヤー以外の漁師までもが依頼してくるようになっていた

こちらとしては別に商売でやっているわけではないので 交換が必要な消耗部品代だけでの実費のみで修理してやっている

わたしが修理するようになる以前まではダイビング業者に出し そこからまたOH専門の業者に出していたようで費用も1万円前後くらい掛かっていたらしい

がらくたの箱 この中から代用品として使える物が必ず出て来る なので捨てるに捨てられない
オーバーホール

それが工賃も取らず部品代だけなので漁師からしてみれば安いし 自宅で修理するものだから仕上がりも早い そのためそんなこんなで月に3~4台は依頼がくる  

しかしこの佐良浜の漁師が持ってくるレギがこれまたやっかいときたもんだ 20年以上も前のレギが多く今ではメーカーすら部品を持ち合わせていないような品ばかり

そのため今はダイビング業者などが使用しなくなったレギを貰い受け(それでも漁師のレギと比較すると新品同然)保管しておき 修理を頼まれた古いやつと交換してやっている

それでも修理に際し問題はいくつかある 交換パーツは各メーカーともほぼ似たり寄ったりのサイズなのでほぼ問題ないが 

使用しているレギのメーカーに統一性がないものだから 中にはどうしてもそのメーカーのパーツでないと無理な物もある

高圧シートの規格が合わないので削って改造
オーバーホール

そんな時はすぐ改造に着手だ 今回修理したレギも用意した高圧シートがメーカーが違うため入らなかった
 ヤスリで周りを削りポペットピンも他のメーカーの奴を短くカットして組み立てた

今回のレギはバランスダイヤフラム方式のレギだったが ピストンタイプの高圧シートの代用品は樹脂でできたまな板を使用することもある

そのレギの高圧シートに合う大きさに近いポンチで切り取り 後は研磨機で大きさを整えていく それでも使用できかなり長持ちする

レギを分解して最初に潮を落とすのもダイビング業者などは酢酸を使用することが多い しかし酢酸は薬局などで身分証明書を提示してからでないと購入できないのと あまりにも強すぎて古いレギなどではメッキが剥がれ落ちたりする

それに変わる代用品で最も効果的なのは沖縄人の愛用品「まる米酢」 市販の酢の中では最も濃度が高くそれに食用なので安全 そこに30分ほど浸けておけばこびり付いている潮もきれいに落ちる

後は組み立てれば終了
オーバーホール

しかしこのブログをダイビングメーカーや販売業者が読んだとしたらたぶん全員がいい顔はしないだろう 「レギは命に関わる器材 安全のため資格のある業者できちんとしたメンテナンスを・・・」と唱っているからだ

だが構造的な部分は一切改造していないので基本は同じ 壊れても構造的にエアーがでなくなる故障などないように作られているはず

しかも潜り漁師はそんな微々たることなどまったく気にもしない ちゃんと直れば部品がどうたらこうたらなんてどうでもいい話

そしてきょうも2台仕上げました 


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Posted by insherman at 17:29│Comments(0)その他
 
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