2009年01月10日

死からの生還

正月明けから天気が回復せず今年に入りまだ一度も出漁できない日が続いている。そうなればブログネタもないしパソコンなどまず見ることもない。

そんな中伊良部島佐良浜で奇跡に近い出来事が起こっていた。五日に出漁した一人乗り漁船がその日のうちに高波で転覆し乗っていた漁師が海に放り出された。そしてなんと15時間ぶりに救助されたとのこと。しかもライフジャケットも着用せず洋服のままで・・・

平良地区に住んでいるinshermanはそんなことが起こっていることさえまったく知らず、七日の宮古のローカル新聞で始めてその事実を知った。宮古の新聞ではただ単に「伊良部島前里添在住」としか記載されていなかった。

その時点では「誰だろうそんな幸運な人」くらいにしか思いもしなかったのだが、翌八日には全国ネットのフジテレビ「とくダネ!」で本人への取材という形で放映されていた。

そしてテレビを見てさらにビックリ、その幸運な漁師とはinshermanもよく知っているアカジン(和名:スジアラ)ハンターのあじゃ(にいさん)だった。

話はちょっとずれるが佐良浜の人間は誰かの名前を発するときは屋号を付けその下に名前を付けて呼ぶ。アギヤーメンバーで言えばわれらが船長はカバシャ(屋号)英二。親分はスーフキャ(屋号)次男。

また面白いのが名前ではなく生まれた順に呼ばれている場合もある。OO長男や、OO次男。たぶん昔はどこの家にも兄弟が多く名前が覚えきれないためにそう呼んでいたのだろう。アギヤーでもタイショー三男やOO五男がいる。

また三男までは方言での呼び名があって、長男はハーアジャ・次男はナカアジャ・三男はシューガマ。四男からは聞いたことがない、いったいどう呼ばれているのだろう??  今度聞いておこう。

話は戻るがその幸運な漁師もOO敏幸と呼ばれているが、インシャーマンは昔からアカジンのあじゃと呼んでいた。あじゃはアカジン狙いの漁をよく行っているし、また顔を合わせる度に「おい、アカジンはどこにいるんだ」としか聞かれないからだ。

アギヤーで漁を行うポイントには「アカジンの家」と呼んでもいいくらいにかなりの数が生息している根がたくさんある。このアジャはそのアカジンの家でよく漁をしているので海上で遭遇することもよくあるのだ。

その中でも来間島のかなり沖合にバカでかいアカジンが何匹も住み着いている直径30m位のどんぶり型の根がある。とにかくここのアカジンは全部がバカでかいのだ。

どの魚図鑑でも最大20㎏くらいまでとしか記載されていないが、ここのは一番デカイやつでおおよそ40㎏はある。釣り頃サイズのアカジンは網から溢れ出るグルクンを狙ってせっせと捕食活動に勤しんでいるが、主みたいな何匹かは微動だにもせずじっとたたずんでいるだけ。

アカジンのあじゃも「あそこのデカいアカジンはエサに食い付かんな」と愚痴っていたことがあったが、それでも諦めることなく何度も通い詰めついに30㎏近いアカジンを釣り上げたことがある。

まっ、とにもかくにもアカジンのあじゃはよく助かったと思う。救助されるまでの15時間もライフジャケットも付けずに浮き続けていたなんて、ほんとにものすごい生命力を持つあじゃだと感心する。やはり海洋池間民族の血を引く佐良浜人だけあるなと感心せずにはいられない。

アジャのものすごい生命力とさまざまな好条件が重なり奇蹟的に生還できたと考えられるが、普通なら生への可能性は0%に等しいものだろう。

ほんとに助かって良かった。そしておめでとう。だ、アジャ。


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Posted by insherman at 10:17│Comments(0)その他
 
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