2013年08月24日

サメ被害

サメ被害って聞くとニュースなどでよく目にする、石垣島におけるイタチザメによる漁業被害。バカでかいイタチザメを延縄で駆除しているシーンを一度は目にしたことがあるだろう。

宮古島漁協における以前の駆除で体重1トン、体長5mにもなるイタチザメが駆除されたという話を耳にしたことがあるが、アギヤー漁でのサメ被害はイタチザメではなく小さなツマジロのこと。とにかくこいつが現れるととんでもなく面倒なことがおきる。

と、その前に、人間様目線から見たサメ業界における三大人食いザメと呼ばれているのは、ホホジロザメ(方言名:イッチョウサバ)・イタチザメ(方言名:トラブカ)・オオメジロザメ(方言名:・・・ナカー)とのことです。

この三大人食いザメのうちイタチザメとオオメジロザメはこれまでも漁の最中にご丁寧にも度々訪ねていただいていたが、ホホジロザメはいまだ一度も訪ねていただいたことがなかった。つい最近までは・・・。

イタチザメは以前はフデ岩の東側にあるロクマンジュニと呼んでいる大きな瀬によく出没していたがここ何年も現れたことがない。昔、そのロクマンジュニで追い込みの最中に、袖網の中でダイバーが横一列になって泳いでいたところ、

サメの画像がないので正反対の魚で
サメ被害

どうやら先に袖網の中を泳いでいたであろう体長約5mくらいはあろうかというイタチザメが袋網の行き止まりでUターンしてきたらしく、われわれダイバーに正面から向かってきたことがあった。しかも奴は10名以上もいたダイバーのちょうどわたしの正面だった。

あまりのバカデカさに恐怖を上回る以上の興奮度でしばらく見とれていた。しかしそんな奴といえども、奴からしてみればこれまでお目に掛かったことのない奇妙な生き物に出くわしてしまって困惑したのだろう。

ヒラヒラの付いた長い棒を手にして、じゃらじゃらと金属音を発し、なおかつぼこぼこと音を出しながら上に伸びていく奇妙な物体を身にまとった得体の知れない生き物。奴にはきっとそう見えたに違いない。奴からしてみればきっとエイリアンみたいであろうダイバーの数の多さにビックリしたのか、わたしの4~5m先でパニックを起こし、その場で90°のターンをし袖網にへばりついてしまった。

奴は袖網に絡まるとさらにパニクり余計に暴れ出してしまった。あんなバカでかい奴が暴れればいままでまっすぐ立っていた袖網も奴のバカ力に負けてしまって真横に寝てしまい、せっかく網の中まで追い込んできたグルクン様が「こりゃラッキー」とばかりにそこから網の外へと逃げ出したことがあった。

ここまでは本題から大きく外れたいわば余談であって、これからきょうの本題になる。ここ最近しばらく漁場としていた大神島からフデ岩の間の海域、方言ではフデバシと呼んでいる。バシとは「間(あいだ)」との意。要はフデ岩の間とのことだ。

サメ被害

この海域のどの漁場でも漁を行うと今年は100%の確率で3匹のツマジロが現れる。調べるとこのツマジロ最大で3mくらいになるらしいが、この3匹は約1、5mほどしかなく取るに足りない大きさだ。

しかしだ、小さいくせに奴らはガイニン(暴れん坊)だ。方言では「スッバニナカー」、直訳すると「白いヒレのメジロザメ」となる。奴ら小さいくせにグルクンが入った袋網をめがけて食いついてくるし、こいつに食いつかれたら最後、袋網は破れそこからグルクンが大量に逃げ出してしまう。

袋網はわたしらが見張っているので、突進してきてもこれまで追い込み用の竿で何度も阻止しているが、海底にある袖網が大変なことになる。グルクンは袋網手前で暴れることもあるので袖網にも突き刺さったりする。

奴らは袋網のグルクンが狙えないと分かると直ぐさま袖網に向かっていき、突き刺さって身動きできなくなったグルクンに食らいついていく。お上品に食してくれるならガイニンだとか、マズムヌ(本来は悪霊とか幽霊の意味だが、悪い奴の例えにも使う)だとか例えられないはずだが、

網ごと食いついて引き裂いていくので、奴らが通り過ぎた宴の後は網が見るも無惨なくらいボロボロになっている。そしてオジィ達は毎度まいど網の補修に忙しくなる。これがアギヤー漁でのサメ被害。ホホジロザメの話は次回へと続く・・・。


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Posted by insherman at 14:56│Comments(0)アギヤー漁
 
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