2012年02月21日

コラム「南風」より  帰港後の作業

2010年11月2日 琉球新報 コラム「南風」に投稿した記事から


グルクンの入った袋網を船上からのロープで引き上げるのだが、その際ダイバーは袋網の補助に入る。袋網の開いた上部からグルクンが逃げ出さないように上部をガードするダイバー2人に、引き上げられる袋網は潮に流されるため、サンゴや岩などに引っ掛かり破けないように、下にいるダイバーが袋網の底辺部を外していく。

袋網が水面に浮上すると母船が横付けされ、獲れたグルクンを母船へ移し替える作業に入る。基本的に母船はグルクンのみを、それ以外の魚で島の仲買人に販売できる獲物は、袋網を搭載しているサバニの生け簀(す)に区分けして移し替えていく。

その水揚げ量が1日分のノルマを達成していればそれで帰港となるが、そうでなければまた次の漁を行うことになる。帰港後はグルクンの選別が行われる。

種類別・サイズ別に選別作業を行い、翌日の競りに向けて、その日のうちに沖縄本島へと空輸することになる。しかし、すべてのグルクンを本島の競りへ出荷するわけではない。

コラム「南風」より  帰港後の作業

宮古圏域において消費される分のグルクンは佐良浜地区の仲買人たちによって購入され、宮古島本島で販売されることになる。

グルクンはタカサゴ科の総称で、種類としては、本島で「カブクワーグルクン」と呼ばれ、唐揚げ用として最もポピュラーなタカサゴをはじめとし、姿形はタカサゴにうり二つだが、より大型になり刺し身や煮付けにするとおいしいニセタカサゴ。

さらに唐揚げ用としての種で「ウクーグルクン」と呼ばれているクマザサハナムロ。生息域が限られているため水揚げ総量の少ない「アカジューグルクン」と呼ばれているウメイロモドキ、の4種がアギヤー漁で獲れるグルクンの種類となる。

ここまでで一連の漁の流れを説明してみました。



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Posted by insherman at 12:00│Comments(0)アギヤー漁
 
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