2010年03月31日

逃げ出したマブイ

天気が安定しないこの時期六日ぶりの出漁

しかし南東からの風がまだ強く八重干瀬(ドゥーグス・ウツグス)方面にも行けず タカツキャの立標付近が今日の漁場

今日はわれらがかばしゃ丸のオジーの笑い話二つ

コンプレッサーからタンクにエアーチャージしていると満タン近くなったホースがもの凄い音と共にいきなり破裂した

ちょうどその時タンクの目の前に立っていたオジー 右隣にはわたしが左隣はコンプレッサーからのホースが延びていてどこにも逃げ場がなかった

逃げ出したマブイ

破裂したその瞬間こんな小さな船の船上には有り余るスペースなどなく 最初はわたしの方へ次にホースの方へ逃げようとした

しかし逃げ場がなくうろたえたオジーは70歳とは思えぬ身軽さで高さ1mもあるエンジンルームの屋根に飛び乗って逃げてしまった

破裂から逃げるまですべてが一瞬の動作で このときのオジーの慌てふためいた様子が滑稽で面白かった 火事場のバカ力とでもいおうか その年で1mの高さを軽々と飛び越えてしまった

もうひとつこれも同じオジーだが 追い込んだ後に自船に戻らず手伝いのために袋網のサバニに乗り込んでいた 

グルクンを網から母船に移し替えたので船を近づけてオジーを迎えに行くと 船が近づくはるか手前から追い込みに使用したタンクを手にしたまま海に飛び込んだ

逃げ出したマブイ

そして慌てふためいた様子でオジーが何やら叫んでいる こちらもピンとくることがあったので急いで迎えに行くと タンクを手にしたまま船にしがみついてきてタンクを早く引き上げろと騒いでいる

やはりそう下に大きなナカー(メジロザメの総称)が何匹もいて暴れているらしい いつものことだが何もないときのサメは恐くない グルクンが袋網に入って鱗や体液が流れ出ているときの興奮したサメは手が付けられない

一日で二度も恐い目にあったオジー 宮古の昔の言い伝えではかなり恐い目にあったりビックリしたときにマブイ(魂)が身体から逃げ出すのでその場で小石を3個拾ってこいと云われている 

そしてそれをユタの所へ持って行きマブイを取り戻すお祓いをしてもらうらしい 「オジー海の上には小石がないから潜って3個拾ってきたら」 

「フリムン(バカ者) でもオジーは今日2回も恐い目にあったよ」と話しながら大笑いをしていた 


同じカテゴリー(アギヤー漁)の記事
アパ
アパ(2013-09-17 21:46)

魔法使い君
魔法使い君(2013-09-03 23:40)

3000本の彼
3000本の彼(2013-09-02 22:51)


Posted by insherman at 23:59│Comments(0)アギヤー漁
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。