アギヤーは伝統漁業追い込み漁

グルクンが獲れなかったとき、その一日の中で普段と違う何かがおこれば「○○が○○したからグルクンが獲れん」、と必ず誰かを生け贄にするオジィーがいる。

まっほとんどが冗談みたいなものだけど、でも毎回誰か標的になる奴がいる。

今朝のかばしゃ丸での出来事で、あるオジィーが「レギと一緒に朝ちゃんとマスクも船に乗せたのになくなっている」と騒動が始まった。



こんな小さな船を乗組員全員で大捜索が始まった。結局マスクは見つからず、そしてまたまた始まったのが各々勝手な推理立て。

みんな勝手で面白い推理を立てる。追い込むとき母船に集まってもよその船のオジィー達まで仲間に加わり各々の推理を発表している。

追い込む前の母船でのほんのちょっとした時間がみんなの井戸端会議の場でもあるが、とにかくこの場の風景は最高に面白い。



われらがかばしゃ丸にはアギヤー最強のお笑いオジィーがいる。そのオジィーがいるだけでとにかく話題に欠かないし、笑いも絶えることがない。

このオジィーこそ吉本でデビューさせてもすぐにでもトップクラスの芸人になること間違いなしだろう。

２回の漁を終え（当然この時期とこの濁りなのでグルクンは獲れていない）３回目の追い込み前にこの芸人オジィーが、

「きょうは○○がメガネ(マスクのこと)を自分で浜(船上場)に忘れて(推理)きているのに、無くしたなんて思い込んで、追い込んでいてもメガネのことばかり考えてグルクンもみんなメガネに見えていることだろう。だからあいつの雑念できょうはグルクンも獲れんぞ」。



おっ、出た出た。きょうの標的は○○オジィーだ。たくみ、よかったな、きょうはおまえじゃないぞ・・・

港に戻り船を片付けているとシャワー室まえのベンチにマスクが一つ転がっていた。

誰のだぁぁぁぁ・・・・