2009年02月03日

空気が吸えない

漁ができるくらいのグルクンの群れを見つけるとキジル(袋網の設置箇所)を決めるダイバーが潜る。キジルを決める際には袖網の設置箇所も一緒に考えなければいけないので、12名いるダイバーの中でもそれができるのはたったの4名しかいない。

そしてキジルを探すためのダイバーは水中から手でいろいろな指示を出すこともあるので、水面では誰か必ず一人そのダイバーを追いかけて泳ぐ必要がある。

空気が吸えない

きょうもそうやって追いかけて泳いでいると、下のダイバーのレギからいきなり空気が大量に漏れだし始めた。それと同時に打ち上げられるロケットのようにのように全速で水面に向けて浮上してきた。

浮上してきたオジィに「どうしたの」って聞くと、オジィは「前から調子悪いと感じていたけど、いきなり空気がたくさん漏れ出してきてが吸えなくなった」。

空気が吸えない

「吹き出してくる空気を吸えばいいだけだから吸えないはずないじゃない」、「フリムン(バカ者)、吸えんから慌てて出てきただろう」。

よくよく見てみると空気を吸う箇所を通してではなく、様々な箇所から空気が吹き出してきている。「だから前からこんなレギは捨てた方がいいって言ってるでしょ」。

キジルを決めるためにモグルオジィ空気が吸えない

「このレギは舶来(佐良浜のオジィ達は自分たちにとって良いと考える物をそうやって例える)だったのに壊れてしまった」。「オジィ、こんなぼろいレギのどこが舶来なんだよ」。「フリムン、舶来だからいままでちゃんと使えているだろう。どうだこんないいレギ他にはないぞ」。

たぶんダイビングをやられている方からすると「こんな危険な行為を・・・」なんて思うかもしれないが、オジィ達にとってこれくらいの危険は簡単に回避できる行為でもある。

部品がなく代わりにビニールテープでグルグル巻きにしてあるオジィの舶来品のレギ
空気が吸えない

そしてまた面白いことに予備のレギを出してきてチェックのためにタンクに取り付けバルブを開けてみると、機関銃のような連射音とともにその予備レギからもエアーが吹き出してくる。

レギを口にくわえようとしていたオジィ、そこでビックリしてそのレギを放り出してしまった。まったくオジィの舶来レギいったいどうなっているのだろう・・・


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Posted by insherman at 23:28│Comments(0)アギヤー漁
 
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