2012年11月16日

出直してこい

ダイビングショップを経営する知り合いが 店に商品として置いてあるおもちゃを販売するにあたって それについて知っとかなくちゃーなるめぇーと そのおもちゃ持参で弟子と共に遊びに来た 日程は2泊3日

そのおもちゃは販売することじたい何ら問題はないが まず日本の海で遊べる場所こそ皆無に等しいはずなので スキューバダイビングやシュノーケリング愛好家ですら このおもちゃで遊んだことのない人のほうが圧倒的に多いはず

知り合い御一行様は宮古島へ到着して早々に そのおもちゃを持ってInsherman号で海へと繰り出した しかし初っぱなからそのおもちゃが原因で 人差し指と中指をざっくり切って水中から戻ってきた

なんと大アクシデントの発生だ 病院に行かせ帰ってきた知り合いに話を聞くと これまたビックリな両指合わせて15針も縫う重傷だった しかもおまけに人差し指は骨折までしていたとのこと

やり慣れない遊びをするからこんなことになるんだな しかもこの遊びは一般のレジャーダイバーが遊ぶには基本的にルール違反でもある しかも漁師といえども特別な許可が必要となってくる もしかしたらこれは天罰かもネ

今回の御一行様の主たる目的はこのおもちゃで遊ぶこと 翌日も知り合いは病院通いとなったため 2日目は弟子だけ連れ遊びに行ってきた

そしたら今度はこの弟子が(わたしからしたら)笑える騒動を引き起こしてしまった 2日目のポイントは当ブログで何度も紹介したことのある 佐良浜地区の呼び名「ハイバラハーサイ」

ハイバラハーサイは魚影が濃く そのおもちゃで遊ぶにはうってつけのポイントなのだが いかんせん潮の流れが強いのとガイニンサバ(佐良浜方言:凶暴なサメ)が多いので 漁を行うときは普段以上に気をつける海域でもある

ハイバラハーサイとはその海域のことを総称した呼び名だが 一応こちらもレジャーダイビングということを考慮して ファーストダイブはそこの中で最も浅い「ウクーヌ家」で遊ぶことにした

最も浅い水深は約25m 平均しても30mくらいの水深なはずだ 準備も整い わたしともう一人の宮古島の連れは先に海へ入ったが いつまで経っても弟子が船から下りてこない

その弟子はBCにカメラにおもちゃと身体に様々な物がくっついている ようやく下りてきたのでついて来いと手招きしても かなりの後方で何かしている様子(これわたしの勘違いだった)だったので あまり束縛するよりも好きにさせとこうとの判断で一人にさせていた

しばらく遊んだ後わたしのエアーが渋くなり始めた 弟子はおもちゃで遊んでいる様子もなく もう一人の宮古の連れは一人でさっさとどこかへ消えて行った

ウクーヌ家にはウミッサビ(和名:ノコギリダイ)の巨大なコロニーがあるので 「わたしは浮上するからむこうの瀬に行って写真でも撮ってこい」と ウミッサビのコロニーを指さし弟子一人を残しとっとと浮上した

船に戻り道具を片づけていると しばらくしたら弟子がものすごい形相で船にしがみついていた 「どうしたの?」と問いかけてみても 弟子は言葉を返せるほどの余裕もなくパニック状態に陥っていた

出直してこい

船に上がることすらできず ただ必死の形相で船にしがみついているだけの弟子を見て サメにでも出くわしてパニックに陥っているのかと大笑いしながら 身体からすべての物を外させ船に引き上げた

船に上がってからもしばらく言葉も発せられず 頭痛がすると減圧症を心配していた 「それくらいでは潜水病になんかかからん 過呼吸で頭痛がするだけだ」と話しても 弟子は船上でひれ伏したまま死んだように動かないままだった

だいぶ時間が経ってから弟子に詳細を訪ねると 潮が強くてわたしに追いつけなかったとのこと 必死に泳いでもわたしからの距離は次第に遠くなるばかりで おもちゃやカメラを撮る余裕すらなく ただ追いつこうと必死にフィンを蹴りまくっていたらしい

しかも途中から一人にされ 浮上しようにも水中からは船がどこにあるかも分からず 浮上してみたら船の潮下に浮上してしまい 戻るのに全体力を使い切ってしまったとのこと

ここでわたしの反省点を まずわたしはその時の潮の流れを速いと感じていなかった 小潮でもありわれわれが普通に漁を行うポイントで ハイバラハーサイでもかなり楽勝なポイントを選んでいたので 相手が潮の強さを感じているなんて微塵も思ってもみなかった

われわれの漁の時のいでたちはタンクにハーネスにレギュレーターのみ それ以外の物を身につけると網に引っかかりかえって仕事の邪魔になる

反対にレジャーダイバーはBCにカメラ その他の小物をごちゃごちゃと身にまとっている 中でもBCは泳ぐのにかなり潮の抵抗を受けることになるのだろう

2本目のダイブはハイバラハーサイでわたしが愛してやまないポイント「ッスンヌヤー(砂の中の家)」 40mの周りに何も無い砂地に直径30mほどのドンブリをひっくり返したような根で 大型の根魚がわんさかといる 

宮古の海を含め県内に数多くあるレジャーダイビングのポイントの中にもこんな最高なポイントはまずないはずだろう レジャーダイビングでまず潜れることのできないこの海を 弟子はキャンセルし船上に一人残っていた 残念!!!!!

最後にわたしからのアドバイスをば・・・  オイ弟子 海に入れば自分のことは自分で守る これが鉄則だ ここからは潮が強い海での潜り方のアドバイスだから耳の穴をかっぽじってよく聞け

ルール① 潮が強ければアンカーロープを伝って潜行していくのだ 船はアンカーロープから必ず潮下になる

ルール② 潜行した際は船の真下あたりの地形を憶えておくこと 

ルール③ 遊ぶときはタンク残量が多い当初はどうでもいいが 徐々に船よりも潮上に向けて進みながら遊ぶこと

ルール④ 浮上は船の潮上から浮上すること そうすればパニックを起こさずとも楽に船まで浮上できるからだ


師匠(知り合い)とともに勉強して出直してこい



同じカテゴリー(サバニクルーズ)の記事
家族3人旅行
家族3人旅行(2013-06-15 13:13)

同窓会
同窓会(2012-08-16 14:00)

ご夫婦のみで
ご夫婦のみで(2012-07-29 12:23)

ペンキ塗り立て
ペンキ塗り立て(2012-03-26 09:00)


 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。