アギヤーは伝統漁業追い込み漁

たった２ｍ　そのたった２ｍの差でグルクンが袋網に入る量に違いが出た　

漁は先に袖網を設置し後から袋網を張る　今日の１回目の漁では袋網が根の上の方へ　袖網よりも上の方へ流れるような形で張ってしまった

追い込んでくると袋網の手前でグルクンはそこに入りたくないと暴れ出してしまった　そうなるともう手が着けられなくなる

ダイバーを恐れるどころか追い込みようの竿さえも恐れず　ダイバーの頭上や隣との間からありとあらゆる所から逃げ出していった



袖網の中までかなりの量のグルクンを追い込んで来たというのに　こんなにも暴れるのは袋網の張り方が失敗ということになる

この追い込みでは大して獲れなかったしまだその根には大量のグルクンが残っていた　袋網を浮上させてから親分が袋網と接続する部分の袖網を若干深場へ移動し２ｍほど下げはじめた

ということはこの場所でもう一度追い込むという計算のようだ　２回目の袋網は根の下に下げるような形で張られた

そして追い込んでくるとグルクンは暴れるどころか列を成して袋網の中へと入っていった　たった２ｍ　この違いが本日の漁を左右したのだった



アギヤー漁では袋網の設置箇所一つで獲れるか獲れないかの差が歴然と表れる　今日ほどその差を如実に実感した日はなかっただろう

今朝狩俣で乗船してみるとわれらがかばしゃ丸にはスク用の網が準備されていた　今日は旧暦の５月２７日でスクの本番は旧暦６月１日　新暦では７月１２日がその日にあたる

朝イチの上げ潮に乗って沿岸部にたどり着くはずのスクだが今はまだ朝イチは下げ潮　しかし昨今この定説は当てはまらなくなってきたような気がする

すでにカツオ船からの情報を入手しているようで　その情報とは沖合で行うカツオ漁の　獲れたカツオの腹の中にスクが入っていたとのこと　そうなればスクがやって来るのはもうまもなくだ



しかしそのスクが宮古の沿岸部に入ってくるかどうかは誰も知らないし　入ったとしてもこれまたどこの沿岸にやって来るかは誰も知らないし神のみぞ知るべしだ

スクは博打的要素が大きくて面白さからいうとかなり大だ　相撲界のように野球賭博で人生を棒に振ることがあるが　このスク漁という博打では誰にも迷惑を掛けないし　誰も人生を棒に振ることもない

ただ獲れなかったときは泳ぎすぎた足がヘロヘロになるだけのこと

そうそう最後にちょっとだけコマーシャルを　琉球新報の「南風」というコラムに今月から半年間月２回のペースでコラムを書くことになった　明日がその第一弾　ヒマな方は琉球新報を見てください